【危険な「サンクコスト効果」をうまく活用する】メルマガ草創花伝 vol.1768
━━━━━━━━vol.1768━2025.07.11━
本日のテーマは
【危険な「サンクコスト効果」をうまく活用する】
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おはようございます。
「メルマガ草創花伝」の横山信弘です。
「せっかくここまでやったのに、
今さらやめるなんて、もったいない」
こんな気持ちになったこと、
ありませんか?
これが「サンクコスト効果」です。
サンクコスト(埋没費用)とは、
すでに支出した回収不能な費用のこと。
そしてサンクコスト効果とは、
せっかく支出したのだから
無駄だとわかっていても
計画を続行してしまう心理的傾向です。
つまり「諦めきれない」というバイアス。
この効果の恐ろしさは、
「ギャンブル」で顕著に現れます。
「5万円負けた。
取り返すために、もう3万円……」
「結局8万円も負けた。
でも、ここでやめたら大損だ……」
気づけば、
20万円の借金に膨れ上がっている。
最近、流行している(?)
オンラインカジノでも、
同様のことが起きているのでしょう。
とても危険です。
「試しに1万円ぐらいやってみよう」
こういう軽い気持ちに、
人間は抗えないもの。
歴史が証明しています。
企業でも同じ失敗が起きます。
たとえば、システム導入。
「3000万円かけたシステムが
まったく使い物にならない」
でも経営陣は言います。
「3000万円も投資したんだ。
追加で1000万円かければ、なんとかなるはず」
結果、4000万円の損失に。
さらに
「ここまできたら、引けない」
と、プロジェクトチームを作って
人件費というコストを追加投資します。
私はそういった光景を
何度も見てきました。
では、サンクコスト効果は
悪いことばかりなのか?
そんなことは、ありません。
うまく活用すれば
行動改革を促せるのです。
たとえば──。
「営業研修に50万円投資したのに
実践しないんですか?」
「せっかく資格を取ったのに
活かさないんですか?」
「ここまで準備したのに
今さら諦めるんですか?」
ポイントは、
「良い方向への一押し」に使うこと。
ちょっと頑張ったからといって、
うまくいくことなんて、ありません。
方向性が間違っていないのなら、
「ここまで投資したんだから、やろう!」
「今まで頑張ってきた。諦めるな」
このように言えるのです。
「これ以上続けても
明らかに損失が増える」
そう思ったら、
即座に撤退すること。
「もったいない」に
振り回されてはいけません。
賢くサンクコスト効果を
使い分けましょう。
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編集後記
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最近観た映画で、超おススメなのは、
『私がやりました』
です。
2023年のフランス映画。
コメディサスペンスです。
とにかく世界観がオシャレ。
センスの塊です。
脚本も素晴らしい。
意外性のある展開に、熱中してしまいます。
1時間42分しかありませんので、
気楽に鑑賞できる点もいいですね。
超おススメです!